委員長の性愛コラム Lesson1「あなたのことが好きな人なんてこの世界にいない」

 みなさんこんにちは。
 このブログで恋愛についてコラムを書かせていただくことになった、委員長と申します。
 といいましても、わたしがみなさまより恋愛に秀でているとは思っておりません。
 というより――これは後々書いていくことになると思いますが――恋愛に強者も弱者も本来ないのであります。
 また、恋愛において絶対に成功するというセオリーは存在しません。だって、そのセオリーを使う側も、使われる側も、人それぞれではないですか。ですから、わたくし委員長がこれから綴っていくことも、いってしまえば根拠不明瞭な「精神論」かもしれません。ただ、そんな「精神論」を読んですこしでも読者のみなさま方の恋愛がよい方向に向かうことがあるとすれば、委員長にとって望外の喜びとなりましょう。

 今「精神論」と表現しましたが、恋愛に入る前段階の意識の構え方について述べる第一回は、かっこうの精神論と呼べるものかもしれません。
 今回のテーマはそのまま結論ともなります。恋愛が始まる前に、「あなたのことが好きな人なんてこの世界にいない」。
 べつにこれはもってまわった言い方でもなんでもありません。
 「あなたのことが好きな人なんてこの世界にいないんだかんね!(アタシ以外に///」というような、思わぬボーナスステージがこのさきに待ち受けているわけではございません。
 この言葉は、そのまま受け取っていただきたい。
 そう、「あなたのことが好きな人なんてこの世界にいない」、いまのところそれ以上でもそれ以下でもないのです。これが事実であり、現実です。

 もちろん、あなたのことを大切に思ってくれている人々はいるでしょう。
 たとえば、お腹を痛めて生んだお母さんをはじめとする、あなたの家族です。あるいは、親友というやつですね。
 ただそう思ってもらえることへは、特に恋愛に興味あるときには「ありがたいけどなんだかむなしい」という気持ちがつきまとうもの。それはあなたの望んだ「好意」ではないからです。
 家族や親友の域を超え、あなたに慕情を抱きエロス的な視線を向ける人、そういう意味での「あなたのことが好きな人」というのは、恋愛を始める前のあなたにはいません。存在しないのです。
 一目ぼれというのがあるじゃないかって?
 おっしゃるとおり。委員長にはそのような経験はないですが、世の中には出会った瞬間フォーリンラブという超常現象に遭った方も少なくないと聞きます。
 しかし一目ぼれをされたとしても、それはあなたがなんらかの行動を起こして相手に認知されたからだといえます。
 そう考えると、やはり「あなたのことが好きな人なんてこの世界にいない」のであります。
 まずはこの点を押さえておいていただきたい。そう考えると、これがいかに危機的な状況かがわかるでしょう?

 ・・・ここまで読んで首を吊るロープを作り始めた人はちょっと待って!
 私がいいたいのは、「“まだ” あなたのことが好きな人なんてこの世界にいない」ということであります。そして、「あなたのことが好きな人」というのは、「いる」のではなくあなたが努力して自分で「作る」ものなのであります。

 今モニタ前で「『※ただしイケメンに限る』んだろ?」とほくそ笑んでる卑屈なあなたには、こういいたい。じゃあなんでテメェと同じツラぶら下げたテメェの親父には奥さんがいて子供まで作ってんだと。容姿の美醜はもちろん恋愛の成否に影響するでしょうが、それだけではないのであります。

いや、そうでも思ってないとやってられないじゃーないですかっ!

◇ 

 ここまで書いてきたことは、実は「当たり前」のことです。
 しかし、臆病な人間という動物は、どうしてもこの「当たり前」を忘れ、受け身に回りたいという願望に流されがちです。「あなたのことが好きな人」がすでにどこかにいてくれて、あわよくば向こうから近づいてきて自分の彼氏彼女になってくれるのではないだろうかという、非常に安易な願望です。
 また、もしかしてすでに周りに「あなたを好きな人」がいるかもしれない。
 しかし、そこに過剰に期待しすぎると、ふたたびあの受け身の構えに戻ってしまうわけです。
 ですからここはやはり、やや悲観的に「わたしのことを好きな人なんてこの世界にいない」と考えるべきなのであります。

 いいですか、繰り返します。「あなたのことが好きな人なんてこの世界にいない」のです。
 そして、そのことを十二分に噛みしめたうえで、あなた自身が「あなたのことが好きな人」を「作る」のです。これには積極的な姿勢が要求されます。
 今日はこの二点だけを覚えて帰ってください。
(委員長)